スマブラについて語るだけ

初心者~中級者向けの記事です。

Mkleo&zackrayジョーカーのデータ比較・分析

項目1は長いので、理論に興味ない人は項目2と3を読んでください。

~仮説~

 データ分析において、疑問と目的と仮説が最初の手順として大事なので提示しておきます。

疑問「Ultimate Summit 3でMkleoとzackrayはSperg0と戦っているが、なぜMkleoが勝ち、zackrayは負けたのか。(結構試合内容も一方的だったので...)
私はジョーカーより機動力がある相手に対して、かなり防戦一方になることが多いので改善したい。」
目的「理想のジョーカーの立ち回り方を知る(対剣キャラ限定になるかもしれないが、”他キャラでも応用できる大体の強い動き”は分かりそう)」
仮説「Mkleoはジャンプなどを使ってガードを極力貼らずに飛び道具(ガン)主体で立ち回っているイメージ。zackrayは地上戦が多く、Mkleoより置きが多く、差し返しが多いイメージ。
”置きつつ差し返す立ち回りよりも、半分差し込みのような積極的な置きの方が強いのではないか”

最上位勢の同時期の同キャラの対戦データを比較します。(相手側のジョーカー対策も十分だろうという信頼のもと分析します)
両方ともオフライン。
Sparg0 vs zackray 2-0 まで ポケスタ2 スマ村
https://youtu.be/M1FhVvEApps
Sparg0 vs MkLeo 2-3 ポケスタ2 戦場
Sparg0 vs MkLeo - Singles Bracket: Losers' Finals - Ultimate Summit 3 | Pyra vs Joker - YouTube

計算式の一例
各種技をどの場面で何回振っていて、それが当たったか、ガードさせたか、当たらなかったかの3種類で判定。ガードor当たらなかった場合のみ、差し返されたかを分析。例:被弾率(差し返された回数/技を振った回数)

結果(詳しい内容)
 試合数が違うので最初の2試合のみ比較しても、Mkleoの方がzackrayよりも70回程度多く技を振っているのにも関わらず、”10%~20%程度差し返された数が少ない”
 Mkleoもzackrayも振っているNB以外の技の比率はほぼ同程度(MKleoに関しては全試合通して、振っている技の種類の比率がほぼ同じだった)なのだが、明確に違う点があった。それは、中距離の技の出し方の違いである。zackrayは置き技主体で、機動力や間合いで避けて差し返すことが多いので、技の先出しが少ない。(剣判定に負けてしまうから?)
Mkleoは基本的にNBを撃つことで相手の先出しを抑制しつつ、”自分から先に技(最多は空N)を振ることが多い”。中距離で棒立ちすることがほぼなく、後隙の無い技を振っているか、ジャンプなどで様子見している。

参考動画↓

 zackrayの対パルテナは相手の上り空Nに絶対に当たらないようにするために先出しを控えてエイハでリターン差を作るという立ち回りなのに対し、mkleoはガンで低リスクに先出しを行っていることがよく分かる。

結果として、技を当てるかガードさせているので、差し返されていることが少ない。ガードさせた場合に相手が前を向いていたら回避を入れ込み、後ろ側なら一瞬ガード継続して間に合っていないガーキャンを咎めていた。

mkleoの技の比率に関しての動画↓

 また、Mkleoが中距離を維持できている要因として、ガーキャン行動の多さがある。zackrayはガーキャン行動が試合を通して1回しかなく、成功率100%なのに対し、Mkleoは17回も振っていて、成功率は47%だ。
このことから、zackrayは確定反撃がある場合のみガーキャン行動をするように意識していて、”Mkleoは間に合ってないのにガーキャンをすることを表択”としている。それに対するSperg0側の解答として、ガーキャン空後を上スマで咎めているシーンがある。その後、Mkleoはガード継続やガーキャンジャンプなどが増える。Sparg0はガーキャン空後が来ると予想し、近距離展開でガード様子見することが増え、Mkleoはそれを逆手にジャンプで近距離展開を打開したり、Sperg0側のガーキャンを咎める行動に対してガード継続から確定反撃を取ったりして対応していることが分かる。それによって、安全に先出しできる回数が増え、試合全体の技のヒット率も高くなった。(zackray32% Mkleo42%)
 ジョーカーでよく言われている「アルセーヌを一ストックに2回出す」ということが今回の勝敗を大きく分けた最大の理由でない根拠として、zackrayもMkleoも1ストック平均アルセーヌ出現率が1回で、ほぼ同じだったからだ。(2回ださせないSparg0も凄い...)
 真の理由は、”不利状況の打開の仕方”だと私は思う。
着地展開では、zackrayは択を散らすことを重要視していて、下Bを1回しか振っていないのに対し、Mkleoは6回も下Bを振っている。ヒカリの着地狩りはこのゲーム屈指の展開維持のしやすさを持っているが、単発火力が低いのでリターンの高さはそこまでない。なので、下Bを外した場合でも安く済んでいることがほとんどだった。武器判定に対して暴れて着地するというのは理論的にもよくない上に、ダブルマークナル(回避先を狩られる展開)になることがほとんどなので、下B(回避と同じ発生3F)で着地するというのは暴れとして良い結果を生んでいた。また、下ガン着地もSparg0という最上位レベルの対応力&操作精度を持った人間が、ヒカリという最強クラスの着地狩り能力を持ったキャラを使ってもあまり狩られていなかった(全9回中2回相打ちになっただけで全て着地できている)というのもあって、下ガンは未だに低リスクなのだと信頼度が上がりました。
 ライン不利状況でzackrayは回避や2段ジャンプなどでライン回復をしていたが、Mkleoはそれに加えて”下強や地上ガンの上派生やめくり空Nなどの多彩な択”を使っていたので、狩られることが少なかった。
 他にも、zackrayは下投げ→空前→DAのコンボを使っていたが、Mkleoは下投げ→空前→掴み→etc...でリターンの高さの違いが要所で見られた。
 こちらの記事で紹介している崖狩りも、いつも通り多く見られました。
mp-eske.hatenadiary.jp

~分析結果から分かるジョーカーの強い立ち回り~

分析結果(簡潔に)
・近距離展開をガード継続で固まるぐらいなら、間に合わなくてもガーキャンを振り、相手にガーキャンによる暴れを意識させた方が、ガーキャンの弱いジョーカーが近距離展開で固められることが少なくなる。(例外として、ジョーカーの相性不利に置かれがちなピカチュウメタナイトなどの身長が低いキャラに対しては、フレーム的には遅くなってしまうが、空後ではなくガーキャンジャンプ空下や踏み下ガンで代用できる。)
・ライン回復の択を多く持ち、散らすことが大事。(2段ジャンプ、地上ガン上派生、下強、めくり空N...)
・自分と相手の確認精度が同程度の場合(読みも含め、技を確認できる反射神経や間合いの近さが同レベル)、差し合いで棒立ちするよりも後隙の無い技(NB、空N...)を振りつつ、相手がそれに対して差し返そうとしてきたところを逆に差し返すことが大事。(攻めるフリ)
↓アンダーウルフさんが大体の基準を言語化してくれています!
youtu.be

スマブラの基本的な強い立ち回り~

youtu.be

ロンさんのヨッシーが、前述したガーキャンを入れ込むというMkleoの立ち回りとほぼ同じことをしています。
詳しい操作としては、技を近距離で外す→ガードを一瞬張る(貼りつつ相手との距離、ガードした技などを確認する)→相手が技を振っていたらそれをガードしきってガーキャン空Nをして、技を振っていなかったらガーキャン空後で攻めたり、ガーキャン引き空Nなどで間合いを取ったりする。
当時のわいぜろしーは、技を外す→ファジーガード→ガーキャン行動というこの一連の流れに対し、ガードタイミングにダッシュ掴みをしたり、ガーキャン行動にジャスガや上強でリスクを付けていますが、どちらもゲッコウガではリターンの低い択なので、配信で確認できるロンさんとの試合では負け越しています。
最近だと、あcolaさんもこのファジーガーキャン入れ込みを使ってます。

参考動画↓

↓Mkleoの近距離展開でのガーキャン入れ込みを表択にするという解説

このことから、このゲームで強いテンプレ行動として、
・後隙の少ない技で立ち回りを構成する→外した場合ファジーガード(入れ込む)→確認してガーキャン攻撃or逃げ行動
・強い技を使う(ジョーカーだと下ガン着地)
・後隙少ない技(ガード硬直差が8F未満の技、リーチの長い技の先端、ガードをめくれる技など)を振りつつ相手を見て差し返す。
が勝ちやすい行動であると分かる。